Another Real World + beBit presents
Shanghai/Shenzhen
NEXT GENERATION
DIGITAL SOCIETY TOUR 2019
上海・深圳
これからの「デジタル社会」を学ぶ旅
2019.05.21 TUE - 05.25 SAT
Another Real World + beBit presents
上海・深圳
これからの「デジタル社会」を学ぶ旅
2019.05.21 TUE - 05.25 SAT
中国のテックシーンをどう評価するかというのはなかなかトリッキーな問題だ。
ビジネスの規模、実装のスピード、そして技術力においてはアメリカを凌駕するとされ、日本などはとっくに太刀打ちできないほどの驚くべき「未来」が実現されている。
キャッシュレス、無人ストア、モバイル宅配・配車、シェアサイクル、信用スコア、次世代保険等々、デジタルイノベーションは14億人という巨大市場において、桁違いの飛躍を遂げている。しかし、日進月歩の発展をみる新サービス群は、同時に、政府にまたとない統治ツールを与えた格好ともなっている。透明性を実現する、というデジタルテクノロジーの最も麗しいヴィジョンは、それが反転して恐るべき抑圧的システムをも生み出しうる。
中国の多種多様なサービスにおいて、政府がどの程度までにそのバックドアを押さえているのか、いまだに憶測の域はでない。けれども、それが政府にとって有用であればあるほど、それらのサービスの精度の高さを証しててもいるというのは皮肉な事実でもある。
とすれば、いま私たちが中国のテックから学ぶことはふたつあるということになる。ひとつは、ペイメントから保険にいたるフィンテック、オンラインとオフラインの境界を融解させるさまざまなサービスの、驚くほどにエレガントなサービスの設計・実装の手法。そして、もうひとつ、データドリブンな社会におけるデータのガバナンスのやり方を、私たちは中国を鏡として考え、学ぶことができるはずだ。
アリペイを擁するアント・フィナンシャルの「アント」は、文字通り「蟻」から取られているという。そこにジャック・マーは、「小さいひとりひとりの個人をエンパワー」するという思いを込めたと言われている。実際、アリペイを筆頭とするアリババの様々なサービスは、既存の中小ビジネスを破壊することなく、それらをネットワーク上につなぐことによって、裏から下支えする。
いわゆるパパママストアからホームレスまでをもデジタル経済のなかに組み込むことを実現したアリペイは、人々の「分散的な自立」を促すという意味においては、たしかにシリコンバレーが誤って歩んだ道を周到に回避し、デジタルテクノロジーの使い方を、(少なくともサービスの設計においては)その本道へと戻し、モバイルファーストの新しい社会づくりに向けて、大きな貢献を果たしているように見える。
テクノロジーの進展には、光もあれば影もある。まぎれもないテック先進国である中国から、私たちは、その「光」を謙虚に学び、その「影」を慎重に検証しなくてはならない。何れにせよ、学ぶことしかない、という事実は動かない。その実相を、その現場において、虚心坦懐にみつめてみようではないか。
若林恵
Another Real Worldツアーエディター/blkswn コンテンツディレクター
2019年5月21日(火)
〜5月25日(土)
864,000円(消費税込)
燃油サーチャージ・航空保険料・諸空港税は含みません。
こちらの金額は暫定料金となりますため、正式な金額は資料請求を行っていただいたあとにお申込み書類と合わせてご案内させていただきます。
同行しません。
ANOTHER REAL WORLD TOUR事務局が同行します。
1名通訳が同行します。
募集人員:20名
最少催行人員:12名
日本発着利用予定航空会社:日本航空
利用予定ホテル:上海「Regal International East Asia Hotel」、
深圳「Shangri-La Hotel,Shinzhen」
食事:朝食4回、昼食5回、夕食4回
昼食、夕食時のお飲み物は各自負担になります。
Another Real World 事務局
PHOTOGRAPHS BY SHUNTA ISHIGAMI
中国の非国有企業では時価総額3位を誇る「平安保険」は、保険・銀行・投資といった事業のフィンテック領域において近年目覚ましい成長を遂げたことで世界から注目され始めています。保険を中心として4億人の金融ビッグデータを有することで新たな金融経済圏を構築しつつ、公的機関と連携しながら人びとの健康情報も管理することで今後さらなる事業の拡大が期待されています。
ギャラリーやセレクトショップが立ち並ぶ「OCT LOFT」と呼ばれるエリアに位置する「旧天堂書店」は、CDやレコードも数多く扱う深圳一のオルタナティブ書店。オーナーはライブスペース「B10」のプログラムキュレーションにも携わるなど音楽に精通していることで知られています。さまざまな規制のなかで生まれてくる新たな中国の文化を考えるうえでも重要なベニューです。
「旧天堂書店」と同じくOCT LOFTに位置する「B10」は、近年グローバルな音楽シーンでもプレゼンスを増しつつあるライブスペースです。同店を運営するフェイ・テンは「Tomorrow Festival」や「OCT-LOFT Jazz Festival」など都市型音楽イベントの企画・運営も数多く手がけており、これからの都市と音楽の関係を考えるうえで重要人物のひとりといえるでしょう。
自動運転EV車両の新たなコンセプトモデルを発表したことで世界にその名を知らしめた「Nio」。同社はテンセントやシンガポールの政府系ファンドなど複数機関からこれまでに総額5億ドルを調達しており、同社ファウンダーのウィリアム・リーは「中国のイーロン・マスク」と呼ばれています。欧米でも事業を展開しており、世界のモビリティ業界から動向が注目されている企業のひとつです。
アントフィナンシャル、中国平安グループ、テンセントによって設立された「衆安保険」は、中国政府から初めてネット保険のライセンスを獲得した「インシュアテック」界随一の企業として知られています。KPMGが発表した有力フィンテック企業ランキングでは1位に輝き、2019年1月には配車サービス「Grab」と提携するなど、近年ますますその勢いは強まっています。
and More!!
上海にもオフィスを構え数多くの企業のデジタルトランスフォーメーションに携わってきた企業「beBit」が今回のツアーを全面サポート。日ごろから上海・深圳でさまざまな企業と接する同社のネットワークを活用し、現地のビジネス/カルチャーに密着したプログラムを用意しています。
いま世界を席巻する中国のサービスを深く理解するためには「体験」するのが一番の近道。 beBitによるサポートのもと、企業訪問のみならずペイメントやモビリティ、デリバリーなど現地で普及している「基本」のサービスを実際に体験するレクチャーも実施します。
現地企業を回って話を聞くだけではただの視察旅行、本ツアーは視察が終わってからが“本番”です。一日の終わりに振り返りの場を設け、さまざまなバックグラウンドをもつ参加者と「対話」を重ねることでツアーの体験を何倍も豊かにしていきます。
いま、中国はビジネスのみならずカルチャーの面でも世界中から注目されています。現代の中国から生まれている新たな文化のあり方を学ぶべく、本ツアーでは書店やライブスペースも訪問予定。カルチャーの動向も知りながら中国が秘めるオルタナティブな可能性に迫ります。
ロフトワーク代表取締役・林千晶が今回のツアーにスペシャルナビゲーターとして参加決定!いち早くビジネスにデザインの視点を取り入れ世界中の企業とオープンコラボレーションに取り組んできた林と議論を交わしながら中国を巡ることで、本ツアーならではの濃密な体験が生まれること間違いありません。
ロフトワーク代表取締役。早稲田大学商学部、ボストン大学大学院ジャーナリズム学科卒。花王を経て、2000年にロフトワークを起業。Webデザイン、ビジネスデザイン、コミュニティデザイン、空間デザインなど、手がけるプロジェクトは年間200件を超える。MITメディアラボ 所長補佐、グッドデザイン賞審査委員、経済産業省 産業構造審議会製造産業分科会委員も務める。
https://loftwork.com/jp/
各プログラムの内容は変更される可能性がございます。
2019年5月21日(火)
〜5月25日(土)
羽田 9:15発|上海着 11:45 (JL 081)|専用車にて移動|市内レストランにて昼食|市内散策&座学|夜、市内レストランにて夕食
食事:朝×/昼◯/夕◯
ホテルにて朝食|企業視察・市内視察|市内レストランにて昼食|企業視察・市内視察|夜、市内レストランにて夕食
食事:朝◯/昼◯/夕◯
ホテルにて朝食|エキスパートインタビュー|市内レストランにて昼食|深圳へ移動 上海 14:05発|深圳16:20着(MU5345)|専用車にてホテルに移動|夜、市内レストランにて夕食
食事:朝◯/昼◯/夕◯
ホテルにて朝食|企業視察・市内視察|市内レストランにて昼食|企業視察・市内視察|夜、市内レストランにて夕食
食事:朝◯/昼◯/夕◯
ホテルにて朝食|10:00深圳発 バスで香港へ移動|香港市内にて昼食|香港15:15発|羽田20:25着(JL026)|通関後解散
食事:朝◯/昼◯/夕×
ツアーに参加される方は、4月24日(水)予定の事前勉強会と、6月17日(月)予定の事後報告会にもご参加いただきます(日時は催行決定後に変更される場合がございます)。
ツアースケジュールは一部変更される可能性がございます。
PHOTOGRAPHS BY SHUNTA ISHIGAMI
2019年3月28日(木)
2019年4月3日(水)にツアー催行可否を決定いたします。催行決定後にお申込金のご請求書を発行いたします。
お申し込み受付は終了しました
なぜいま、上海・深圳を訪れるべきなのでしょうか?参加を検討されている方へ向け、事前説明会を開催します。当日はアナザーリアルワールド事務局の若林惠(blkswn)、廣田周作(HENGE)に加え、ツアーのコーディネートを担当しているbeBit取締役副社長・中島克彦も参加予定。いま中国のビジネスや文化をどう見るべきなのか、上海や深圳で現地企業と対話する必要についてじっくりご説明いたします!
日時:2019年3月6日(水)19:00-20:30(18:45受付開始)
場所:TOT STUDIO
渋谷区千駄ヶ谷3-62-1 THINK OF THINGS 2F
参加費:無料
PHOTOGRAPHS BY SHUNTA ISHIGAMI
住み慣れた街から船出をし、いくつもの海を渡ってたどり着いた、とある街。すべてが活気に満ちて見るもの何もかもが新鮮で目新しい。知らない街はなんと楽しいことか。そう思ってしばらく過ごしたところで、ふいに気がつく。そこは自分が住み慣れたロンドンの街だったのだ。そんなエピソードを英国の作家G・K・チェスタトンは紹介している。
ブライアン・イーノの名盤「Another Green World」もまた同じモチーフが下敷きになっている。地球を遠く離れて宇宙を旅した男が、とある緑の惑星にたどり着いたら、そこが旅だった地球だったという物語が、そのインスピレーションになったと言われている。
旅は、いったいなにを見出す行為なのだろうか。未知なる場所を訪ね、新しい事物や暮らしをみて感じる。それは旅の半分でしかない。残りの半分は、むしろ帰ってきてからのことだ。自分がそれまで当たり前だと思っていたこと、ありきたりだと感じられていたことを、まったく違った視点やコンテクストにおいて捉え直すことができるようになること。ふるさとをまるで異国のように見つめ直すことができるようになること。
世界の先進的な都市を訪ね、これから人の暮らしが一体どのように変わっていくのかを探る旅のプログラム「Another Real World」は、先進都市にただ学び、それを真似するための「ネタ」を探すためのものではない。むしろ、自分たちの世界のそれとは異なる「リアル」を体感することで、自分たちが生きている「リアル」を再発見するためのものだ。いまとは違う、オルタナティブな社会や暮らしのあり方を再想像するためのきっかけなのだ。
若林恵(blkswn publishers)
1971年生まれ。編集者、Blkswn代表。ロンドン、ニューヨークで幼少期を過ごす。早稲田大学第一文学部フランス文学科卒業後、平凡社入社『月刊太陽』編集部所属。2000年、フリー編集者として独立。以後,雑誌,書籍、展覧会の図録などの編集を多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2012年に『WIRED』日本版編集長就任、2017年退任。2018年、黒鳥社(blkswn publishers)設立。
1980年生まれ。2009年電通入社。コミュニケーション・デザイン・センターを経て、現在BD&A局に所属。英国のイノベーション・リサーチ企業「Stylus Media Group」の日本におけるチーフ・アドバイザーとして、企業のブランド開発やイノベーション・プロジェクトに多数参画。2013年、自著『SHARED VISION』(宣伝会議)を出版。
イギリス、スコットランドにて大学を卒業後、グローバルデジタルマーケティングカンファレンス、ad;tech/iMedia Summitを主催しているdmg::events Japanに入社。2015年にmash-inc.を設立し女性のWELL-BEINGを軸としたサービス展開を手掛けながら、ジェンダーや働き方の問題など、まわりにある見えない障壁を多彩なセッションやワークショップを通じて解き明かす「MASHING UP」をプロデュース。
2000年創業。「ユーザビリティ」という概念が一般的でない時期からユーザー中心の観点に基づきインターネット領域におけるコンサルティングビジネスを展開する。11年より海外展開とサービス開発に着手し、12年に台北、13年に上海でオフィスを設立。現在はSaaSを核とするビジネスモデルに転換し、さまざまな企業に業務基盤を提供しながらビジネスのユーザ中心化・顧客志向化を進めている。
ビービット取締役副社長。1975年生まれ。横浜国立大学経営学部卒業後、株式会社富士銀行入行。法人融資などに従事した後、 株式会社ビービット設立に参加。金融機関、EC サイト、検索サイトなど数々の企業ウェブへのコンサルティングに携わり高い成果を上げる。 現在、株式会社ビービットの取締役副社長、及び、すべての海外現地法人の代表として、日本、台湾、上海、米国の全事業部の統括責任者として指揮を執る。
ビービット東アジア営業責任者/エクスペリエンスデザイナー。1984年生まれ。東京大学大学院学際情報学府情報学環修士課程修了。2011年、ビービットにコンサルタントとして入社し、さまざまな企業のデジタルUX改善を支援。 2017年から上海支社に勤務し、現在は現地の日系クライアントに対し、モノ指向企業からエクスペリエンス指向企業への変革を支援する「エクスペリエンス・デザイン・コンサルティング」を行なっている。
ANOTHER REAL WORLD TOUR事務局 info@anotherrealworld.com
こちらは募集パンフレットではなくツアーの告知となります。
各種お問い合わせ、お申込みに関しましては「株式会社JTB虎ノ門第三事業部」までご連絡ください。
PHOTOGRAPHS BY SHUNTA ISHIGAMI